2024年9月30日(月)
フリーランスと事業者の新法が施行、取引の適正化へ
近年、働き方の多様化によりフリーランスという働き方が広く普及しています。しかし、その一方で、フリーランスは取引先との関係で様々なトラブルに直面することが少なくありません。報酬の未払い、ハラスメント、不当な契約解除など、特にフリーランスと組織との間における交渉力の不均衡が問題視されています。
このような背景を受け、2024年11月1日から「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行されることになりました。この法律は、フリーランスがより安心して働ける環境を整えることを目的とし、発注事業者側に対して取引の適正化や就業環境の整備を義務付けています。
取引の適正化とは?
この法律の大きな柱の一つが「取引の適正化」です。発注事業者はフリーランスと契約を結ぶ際に、書面や電子メールなどで取引条件を明示する義務があります。具体的には、業務の内容や報酬の額、支払期日などが明記されなければなりません。
さらに、報酬は、発注した業務を受け取った日から数えて60日以内に支払われる必要があります。これにより、報酬の未払いや支払遅延といった問題の防止が図られることになります
就業環境の整備
法律のもう一つの柱が「就業環境の整備」です。例えば、発注事業者はフリーランスに対するハラスメントを防ぐために、相談窓口を設置し、対応体制を整える義務があります。また、長期契約を結ぶ場合、育児や介護と仕事を両立できるような配慮を行うことが求められます。
まとめ
2024年11月に施行される「フリーランス・事業者間取引適正化等法」は、フリーランスがより公正な取引条件のもとで働ける環境を整える重要な法律です。発注事業者は、この法律に基づいて適切な対応を行うことが求められ、フリーランスにとっても法的保護が強化されることになります。この変化は、今後の働き方に大きな影響を与えることでしょう。
仙台市雇用労働相談センター
代表相談員・特定社会保険労務士
大江 広満
<フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ(厚生労働省)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html
ご紹介した内容は概略的なものになります。
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